Latent Value(皇紀弐千六百八十五年 令和七年(2025年)七月二十一日 月曜日)2

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このインタビュー記事を読んでくださると、私の今の仕事がよくわかります。

知的財産に対応しない中小企業が直面するリスク:中小企業の知的財産戦略❻

https://batonz.jp/partner_adviser/keieisenryakushitsu/
 
Latent Value:レイテント ヴァリュー(leɪtənt vælju) 知的財産が持つ将来的な可能性(潜在価値)

 中小企業にとって、知的財産戦略は単なる法律的な手続きではありません。それは、独自の技術、デザイン、ブランドを守り、他社との差別化を図るための強力な経営ツールであり、企業の持続的な成長と競争優位性を確立するために不可欠な要素です。

  では、中小零細企業に知的財産はあるのかとう疑問異対してお答えします(シリーズで)

職人の「勘と経験」が詰まったノウハウ(営業秘密)

  中小企業、特に製造業やサービス業では、長年の経験を持つ(職人の「勘」や「感覚」)に依存している部分が少なくありません。これらは一見すると属人的なスキルに見えますが、実は以下のような形で知的財産(営業秘密)として保護できる可能性があります。


  • 特定の調合比率や手順: 例えば、老舗の食品製造業であれば、独特の味を出すための材料の配合比率や、加熱・熟成の具体的な時間、温度、手順などがこれに当たります。これらは従業員の間で共有されていても、外部には秘密にすることで営業秘密として保護できます。

  • 独自のトラブルシューティング手法: 顧客からのクレーム対応や機械の故障診断において、経験豊富な技術者だけが知っている特定のチェック項目や問題解決の手順なども、文字化・体系化することで営業秘密となり得ます。

  • 効率的な作業動線や配置: 工場や店舗における独自の機械配置や作業動線で、他社よりも生産性が高い場合、これも競合が知り得ない効率化のノウハウとして価値があります。

  これらを営業秘密として保護するためには、「秘密管理性(アクセス制限、秘密表示など)、有用性(事業活動に役立つ情報であること)、非公知性(公に知られていないこと)」3つの要件を満たす必要があります。従業員との秘密保持契約の締結や、情報へのアクセス制限などを適切に行うことが重要です。


あなたの会社にもありませんか?

 知的財産への意識が低い中小企業は、経営に致命的な影響を与えかねない、以下のような様々なリスクに直面します。

  • 模倣品の出現と売上減少: 苦労して開発した製品やサービスが模倣されても、知的財産権で保護していなければ、法的に模倣品の製造・販売を差し止めることができません。これにより、自社製品の売上が減少し、市場シェアを奪われるリスクが高まります。

  • 他社からの権利侵害警告・訴訟リスク: 知らず知らずのうちに、他社が保有する特許や商標などを侵害してしまう可能性があります。権利者からの警告書や損害賠償請求、差止請求などの訴訟は、多額の出費や製品の製造・販売中止、ブランドイメージの失墜といった深刻な損害を招きかねません。

  • 技術流出と競争力低下: 独自の技術やノウハウを特許などで保護していない場合従業員の離職や取引先との関係悪化などにより、その技術が外部に流出するリスクが高まります。技術が流出すれば、競合他社に容易に模倣され、自社の技術的優位性が失われ、競争力が低下してしまいます。

  • ブランド価値の毀損: 自社の商標を登録していない場合、第三者に悪用されたり、類似の商標が登録されてしまったりする可能性があります。これにより、顧客が混乱したり、築き上げてきたブランドイメージが損なわれたり、最悪の場合、ブランド名を他社に横取りされることさえあり得ます。

  • 資金調達やアライアンス機会の損失: 金融機関やベンチャーキャピタルが投資判断を行う際、企業の技術力や将来性を評価する上で、保有する知的財産は重要な指標です。知的財産が貧弱であると、資金調達が難しくなったり、大企業との提携やM&A(合併・買収)の機会を逃したりする可能性があります。


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このページは、宝徳 健が2025年7月21日 02:17に書いたブログ記事です。

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