千年企業⑬:池坊最終回(皇紀弐千六百八十五年 令和七年(2025年)八月四日 月曜日) 2

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平成十七年(2005年)九月二十日に開始したブログの累計記事が、現在10,332通目です。

お天道様、今日も苦しみながらこの十二箇条を達成します


  池坊の長寿の哲学

  池坊華道会は、その長い歴史の中で、一貫した哲学を継承してきました。


不易流行の精神

  • 不易(変わらない本質): 池坊の「不易」は、「自然の美を尊ぶ心」といけばなを通じて「人の心を豊かにする」という哲学です。これは、いけばなが仏前供花であった創業期から、現代の自由花に至るまで、決して変わることのない池坊の存在意義です。

  • 流行(変化し続ける形態): 一方で、いけばなは時代とともにその形を変えてきました。室町時代の「立花」、江戸時代の「生花」、そして現代の「自由花」など、日本の住空間や人々の暮らし、そして美意識の変化に対応するために、常に新しい様式を生み出し続けてきました。

苦難を乗り越える適応力

  • 戦国時代の混乱: 応仁の乱などの戦乱期には、有力な武将や公家と交流を深めることで、いけばなを保護しました。

  • 西洋文化の流入: 明治以降、西洋文化が流入し、日本の伝統文化が軽視される風潮が生まれた際には、伝統的な様式を継承しつつも、西洋の植物や様式を取り入れた新しい表現を模索しました。

  • 現代のライフスタイルの変化: 現代の住宅事情や核家族化といった変化に対応するため、手軽に楽しめる「自由花」を生み出し、SNSやオンラインでの活動も積極的に行っています。

 このように、池坊華道会は、その根底にある理念を大切にしながらも、時代の変化に柔軟に対応する「不易流行」の精神を体現することで、1400年以上の歴史を紡ぎ、いけばなという日本の伝統文化を今日に伝えているのです。


  素晴らしいですね。世界最古の企業である金剛組でも同じです。不易流行とは何か。フリーダムなんです。フリーダムの意味は「独立不羈(どくりつふき)」です。「独立自尊」とも言います。千年企業はみんなこの「続く」という理念がベースにあるのです。我が母校慶應義塾の福澤諭吉先生の理念でもあります。学問のすすめと福翁自伝も読まない理念なき学問の塾員・塾生が知っているか


  そして、世界で唯一神話の世界から歴史が連続した人間社会の奇跡の国 我が国日本が誇る皇室の理念でもあります。


  皇室はこの不易流行のために意思決定の際に最も重要視することは「今の多数は歴史上の少数である」です。例えば今は「公称」二千六百八十五年ですが、いったいいつから始まったのかわからないぐらいの歴史を誇ります。仮に3,000年としましょう。今の主流となる意見が5千万人いたとします。でも、3,000年の1年間に守ってきたことが平均2万人/年だとするとそれだけでもう6千万人となり、たった年間2万人で5千万人を凌駕してしまいます。


  金剛組の記事で書いた言葉を次のページに書いて、締めに池坊の最終回とします。次回から慶雲閣という世界最古の宿泊施設であり世界三番目に古い企業のことを書きます。感謝合掌。


とことんに 不易と検証 その上で 流行取り入れ 不易流行

  世界最古の企業である金剛組のルーツは敏達天皇七年(西暦578年)に遡り、これが同社の世界で最も長く存在する企業として位置付けています。その創業は多くの国家や主要な世界宗教の成立よりも古く、その歴史的深遠さを示しています。  

 繰り返します。千年企業は、まさに不易流行(不易流行:永く続く大切なものをしっかり守り、新しいことを取り入れる)という我が皇室の精神と申し上げました

  新しいものを取り込むときは、不易を徹底的に検証することが大切です。不易と流行は分離するものではなく、積み上げてきた歴史である不易と新時代からやってきた流行が流れを一(いつ)にすることを当事者たちが創っていくことだからです。

 例えば、538年に支那大陸から漢字が我が国に伝来しました。しかし、皇室は漢字を400年間〜500年間使いませんでした。

 我國の在り方と新しい漢字の流れが一(いつ)になる
「万葉仮名」ができるまで。

すみません。この最初の部分はとても大切な肝なので、毎回書きます(初めて読まれる読者も多勢いらっしゃるので)

 このブログの中で何回か「欧州でも国家の概念ができたのはこの三百年〜五百年」と申し上げました。それまでは? 確かに存在はその何百年前からありましたが、所詮は貴族の「うしはく(すべて自分の所有物にするという支配形態)」でしかなかったのです。それが三百年〜五百年に国家として目覚めて、第一次世界大戦で固まりました。

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このページは、宝徳 健が2025年8月 4日 04:30に書いたブログ記事です。

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