安全性と環境への影響
核融合は、既存の原子力発電(核分裂)と比べて、本質的に高い安全性を持ちます。
暴走の危険性: 核分裂反応のように連鎖反応が暴走することはありません。反応を維持するためには、高温・高密度の状態を厳密に制御する必要があり、制御が失われればすぐに反応は停止します(inherent safety)。
高レベル放射性廃棄物: 生成されません。核融合反応で生じるのはヘリウム(非放射性)と中性子のみです。
放射化: 炉壁や構造材が中性子を浴びることで放射化されますが、その廃棄物の半減期は比較的短く、最終処分は核分裂炉の廃棄物よりも容易です。
現技術では無理ですが、近い将来、原子力空母や原子力潜水艦にも使えるようになります。豊富な燃料: 核融合の燃料は海水中に豊富に存在する水素同位体(重水素や三重水素)であり、事実上無尽蔵です。
安全性: 核融合反応は条件が少しでも崩れると停止するため、暴走反応や炉心溶融のリスクが原理的にありません。
廃棄物の低減: 核分裂炉と比べて長寿命の放射性廃棄物が少なく、廃棄物管理の負担が軽減されます。
次回は、世界の資源バランスについて考えます。エネルギーと情報は近代国家を支える最重要課題です。第二次世界大戦は石油争奪のためにも起きました。

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