千夜一夜物語5(皇紀弐千六百八十五年 令和七年(2025年)五月二十二日 木曜日)2

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 アジブはまたも島に独りぼっちです。
   するとまた何日が経ったとき、なんと、海の潮がどんどん引いているではありませんか。水のひいたあとに一筋の道が現れ、そこをどんどん辿っていくと大きな陸地に着きました。

 夜になってまた海はもとに戻りましたが、この陸地には人の気配がします。歩いていくと、闇の向こうに、灯が!!!!

 アジブは疲れも忘れてその灯に向かいました。そこには立派な宮殿が。

「ごめんください」
「はい」

 声に応えたのは、十人の人品卑しからぬ男たち。でも、みんな左目がありません。イスラムの世界では、片目は、悪魔に魅入られた人間しるしです。

 男たちはアジブの頼みを聞き、食事と寝床を用意してくれました。ああ、久しぶりに味あうご馳走とベッドのふくらみ。

 夜になると男たちは、たらふく食い、美酒をあび、空が白むまで陽気に騒ぐのでした。

  さて、毎晩つづく宴会は、いつも奇妙な儀式で終わります。

  「例の品を慣れべてください。時刻が近づきました」

 小部屋から灰と煤の粉が持ち出されます。男たちはその黒い粉を全軆に塗りながら涙を流し、もだえ苦しみます。口々に自分たちの分を嘆きながら。明る宴会とは打って変わります。

 何日かすぎたころ、アジブはその理由を聞きました。最初は寡黙であつた男たちもアジブの執拗な質問にあってついに教へてくれました。

「もし、あなたに強い意志があるならば、嘉悦の楽園を訪ねてごらんなさい。でも失敗して戻って来ても知りませんよ」

 さあ、ここからが面白い。私だつたらこの誘惑にたえられるか~(笑)。つづく

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このページは、宝徳 健が2025年5月22日 02:42に書いたブログ記事です。

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