千夜一夜物語8(皇紀弐千六百八十五年 令和七年(2025年)五月二十五日)3

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 千夜一夜物語の成り立ち(?)をもう一度。ある王樣兄弟が、出かけてゐるとき妻が奴隷と不倫をしてゐました(もう少し詳しいのですが割愛)。それで女が信じられなくなつた王様は、國中の処女をを次々と夜に呼び出し、セックスとしてから殺していきました。もう、処女は、大臣の娘姉妹しかいません。姉の名前がシャーラザッド。シャーラザッドは寝物語に王樣に面白い話をたくさんします。

 王樣は次の夜もシャーラザッドの話を聞きたいので、シャーラザッド姉妹を殺しません。ついには、自分の過ちに気づき女性を殺さなくなりました。その話が、千夜と一夜つづいたからこの物語ということです(日本人がつけた名前だと思いますが。アラビアンナイトなので)。

 さて、今回から話が変わりますが、シャーラザッドが王に話を始めてから二十四夜となつたときの話です。

「今夜は遠い支那の國の話です」
「まだ見ぬ國のことじゃな」
  今は昔、支那の國に一人の仕立て屋が住んでいました。名前はわかりません。この男はどんちゃん騒ぎが好きで、女房もまたしかり。毎晩毎晩客を集めて飲み食いです。夜を徹して。

 我が家も父が若いころ、我が家には毎晩客が十人前後来て飲んで騒いでいました。父が仕事でいなくても来ていました。母は大変だったと思います。私と姉はいつも母に云われていました。

「夜になったらお客さんがたくさんきて、騒がしいから今のうちに宿題をしておかないと知らないからね」

 なんとまあ理不尽な怒られ方なのでしょう(笑)。そんなことを書きながら思い出しました。

 それともうひとつ。今は、使ってはいけない言葉が多すぎます。今回の話に少し関係がありますので書いておきます。でも、歴史や昔の物語を読むときに、その時代に使っていたその言葉を使わないと、正しく読めません。注釈をつけて使うならまだわかりますが、それらの言葉を使っただけで、訳の分からない団体からクレームの嵐です。看護婦もそうです。看護婦でいい。看護師と云へば男性とすればいい。バカみたいです。

 小学生のときだと記憶してゐます。「ノートルダムのせむし男」を学びました。この「せむし」と云う言葉が禁止用語。では、「セロ弾きのゴーシュ(宮沢賢治)」は?なんて云いかえれば???

そのままの 時代に沿った 表現を そのままでみる それが実学

 閑話休題。千夜一夜物語に話を戻します。

  ある日の夕刻、二人が家に帰る途中、路傍で一人の男に巡り会いました。この男が実はせむしなのです。「背骨の不自由な人」でいいのかしら? 別に、身障者の方のことを申し上げているのではありません。当時のことは当時の言葉で語られなければ文学の価値が落ちてしまいます。

 そのせむしの男は、身体はそんな状態なのですが、すこぶる明るい。顔つきも身振りもおかしい。大きな箱の底を叩いてしきりに首をかしげています。

「何している?」仕立て屋が聞きます。

「大切なお金を失くしたのだが暗くてわからない」

「なぜ、箱の底を叩いてゐる」

「うん、昼間にうちにお日様の光をたくさん入れておいたからいまそれをただき出してゐる」

「おもしろいやつだなあ(こいつと一晩飲み明かしたら面白いだらうなあ)。金なんか俺がやらあ。それより、俺の家に来て一杯やろうぜ」

 仕立て屋は家に連れ帰ります。女房も大喜び。腕によりをかけて魚のから揚げをつくり、特別大きいのをつまんで、「さあ、遠慮はいらないからどんどんお食べ」

 とせむしの男の口にぐいとおしこみました。

「あーうーっ」

 せむしの男は、のどにさなかの骨をつまらせて死んでしまひました。さあ大変。

  困った夫婦は、医者の家に投げ込みましたが、医者は男につまづいて、男が階段から転げ落ちたのをみにいったら「あっ、死んでいる」と自分が殺したとまたまた勘違い。 

「弱ったなあ。どうしよ? うん、幸い誰もみていない。よし、隣の家に投げ込んでやれ」

 隣は料理人の家です。夜更けにならないと帰ってきません。今頃もきつと留守です。ドアにカギはかかっていますが、通風口から忍び込めます。屋根に上り、死体を落とし、ドアに立てかけたまま逃げて帰りました。

 料理人の家にはいつも食物が豊富ですから、いつも野良猫や野良犬でいつぱい。うまくいけば、死体も食べてくれるかもしれません・・・・と、医者は考へました。

 夜更けに戻つた料理人は、壁に立つている男を見て。

「このやろう!犬や猫だと思ったが、いつも料理を盗んでいるのはお前か!」

と、死体を重い金槌で殴りつけました。

「え?死んじまった?」  さてさて・・・つづく14  

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このページは、宝徳 健が2025年5月25日 04:57に書いたブログ記事です。

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