二歳十ヶ月の時、丹養塾幼稚園に入園してから、漢字、算盤、諺、俳句、花園文庫、伝記、少年日本史朗誦選集など、園長先生には沢山の事を教へて頂きました。毎日一所懸命勉強して南宋の文天祥(ぶんてんしょう)の正気歌(せいきのうた)を暗唱できるようになった時も、算盤の大会でトロフィーを貰って来た時も、園長先生はとても喜んで褒めて下さいました。
それから園長先生は色々な所に連れて行って下さいました。北海道巡歴研修でクラーク博士の像の前で「青年と大志」を朗誦した事、青森駅のデパートの軒先で野宿をした事、北陸巡歴研修で、永平寺で座禪をした事、橋本佐内の前で啓発録を読んだ事、沢山の楽しい思い出があります。他にも、親子教室甲山の遠足、運動会、お餅まき、立志集、卒園式、小音楽会、桃太郎の劇など園長先生に教えて頂いた素晴らしい思い出が沢山出来ました。
これから園長先生は天国へ行って、私達の事を見守って下さい。私達は、園長先生に教へて頂いた事をいつまでも忘れずに深くさぐって強く引き出す人になります。天から受けたものを天にむくいる人になります。そして、この世に役立つ人になります。園長先生、ありがとうございました。
平成十五年十一月二十三日 園児代表 吉田 歩未」
これが六歳の女の子の詩ばい。俺はくさ、これを初めて読んだときに頭をハンマーで殴られた気がしたったい。自分のバカさ加減にあきれてしまたったい。古典による鍛錬を経とらん自分ば恥じたったい。その後はくさ、本格的に古典を勉強し始めたとって。歩未さんに教えてもらったとって。ばってんくさ、未だに、自分の言葉を押し付けるだけくさ、六歳の歩未さんの詩にある「深くさぐって強く引き出す」ことができてとらんとって。俺は大馬鹿ったい。この弔辞ば読んだ時の涙を流した自分をすぐに忘れるったい。
「歩未」。よか名前やね。「未来を歩く」。ご両親もたいしたものったい。今の日教組教育とはじぇんじぇん(全然)違おうが。ゆとり教育とか幇間稽古(太鼓持ちのように相手に気遣ってばかりいる訓練)とは違おうが。二歳十ヶ月の女の子に青森駅で野宿ばさせるとよ。今の親やったら大騒ぎったい。
歩未さん(あえてさん付けで呼ぶけん)は素直やね。素直が一番ったい。なしてか言うと素直はお互いがしんどくならんとって。 この人は今、どんな女性になっているとかいな?
イギリスの歴史学者でくさアーノルド・トインビーげないう人がいるったい。その人の言葉ばい。「一つの国が滅びるのは戦争によってではない。天変地異でもなければ、経済的破綻によってでもない。国民の道徳心が失われた時、その国は滅びる」
3.小ささを知る人
勉強してくれげな言っとるとやなかとって。今の多方の学校はくさ、「勉強嫌い人間養成所」やけん。ばってん「本だけは読んじゃりやい」
これももう二十年前ばってん、ある美容師さんから言われたことばったい
本を読む人は自分の小ささがわかる 本を読まない人は人をばかにする
小ささを知るは俺の体験ば明日書くね。ばってん、日本人の一番の強さは国民の賢さったい。それが、今、どげんや。俺たちが子供の頃からみたらくさ、信じられん犯罪が頻発しとろうが。小学校から英語教育もよかばってん、小学校から和歌を詠んだ方がくさ、何万倍も情緒ある人間がでくる(できる)ばい。
言霊(ことだま)の 幸(さきは)ふ国の 我が日本 幸(さきは)ふ言霊 交わす幸(しあは)せ
コメントする