平成二十一年(2005年)九月二十日に開始したブログ累計記事 現在10091通目です(後で数えなくていいように)
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千夜一夜物語(アラビアンナイト)が作られた頃のササン朝ペルシャというのは厳密にいうとアラブではありません。このササン朝ペルシャは「ゾロアスター教」を信奉していました。
ゾロアスター教からユダヤ教ができ、ユダヤ教からキリスト教とイスラム教ができました。なので、ペルシャ人からすればユダヤ教はゾロアスター経の子供、キリスト教とイスラム教は孫みたいなものです。広大な帝国であったササン朝ペルシャからすれば、キリスト教もイスラム教も何するものぞです。
ある戦争でペルシャがアラブに負けてアラブに組み込まれてしまいました。今、イランはイスラム教原理主義のような存在になっています。
この本は本当に面白い。夢中で読んでしまいました。高山正之先生は以前から存じ上げていました。でも、飯山陽先生は、存じ上げていませんでした。この二人の中東談義を読んだ時、目から鱗が落ちまくりました。ぜひ、お読みください。政治や官僚やメディアがいかに間違えた中東論の中で動いているかがわかります。
閑話休題。なので、千夜一夜物語は「ゾロアスター教」の影響を強く受けています。
さて、続きです。
目を覺ましたアジブにどこからか聲が聞こえます。
「アジブよ。目醒(めざ)めて足元の土を掘れ。青銅の弓と三本の鉛の矢を見出すであろう。その弓と矢をとって、山頂の騎士を射て。騎士は海に落ち、馬はお前の足元に倒れるであろう。馬を足元の穴に埋めよ。やがて大波が山頂を洗い、波の間より一艘の小舟が現れるであろう。お前はその船に乗り、漕ぎ手の漕ぐままに身を任せればいい。安寧の島に着き、故国へ帰ることも出来よう。だが、忘れるな、喜びのあまり、アラーの名を唱えてはならない。唱えればお前ふたたび不幸の海に漂うであろう」
アジブはこの聲に従いましたが、なんとなんと、島が見えたとたんに思はず、アラーの御名をとなえてしまいました。
たちまち小舟は大波に襲われ転覆し、アジブは再び半死半生の漂流のすえ、見知らぬ岸に打ち上げられました。どうやら無人島です。
なんとか一命はとりとめた者の、これからどうしたらいいかがわかりません。木の実をあさり木陰で眠り、なんとか命をつなぐことはできました。でも、故国に帰る手段がありません。
ある日、沖合から船が近づいてくるのが見えました。でも、なにかいわくありげな船だったので、アジブは木に登り、樣子をうかがいました。
船は錨をおろし、数人の黒人奴隷たちが島に荷揚げをします。どうやら食料や衣料などの生活用品のやうです。荷物は島の中央まで運ばれました。
奴隷たちはそこに穴を掘り始めます。穴の中から木蓋があらわれ、その下には階段。どうやら地下室です。奴隷たちがそこに荷物を運び終わったとき、船から老人と少年が降りてきました。二人とも、筆舌に尽くしがたい悲しい顔をしています。
二人は、穴の中に消えましたが、出てきたのは、老人だけでした。船は老人と奴隷を乘せて遠ざかります。
好奇心の強いアジブは、木を降りて、埋められたばかりの土を掘りました。木蓋が出てきます。長い階段が地下に続いています。アジブは降りました。
少年「あなたはだれ? どうしてここへ?」
ア「心配しないでください。怪しい者ではありません。私はたまたまこの島へ流れ着いた者です。先ほどの様子を一部始終見ていました。あの老人は何故、あんなに悲しそうにしていたのですか?あなたのやような少年をなぜ、こんなところに置き去りにしたのですか?決してあなたに危害を加えることなんてありません。よろしければ、何かのお役にたちますから、どうか聞かせてください」
真実を知ると、驚きです。あの老人は少年の父です。年老いてようやく恵まれた一粒種が少年です。でも、少年が生まれた時に恐ろしい予言を受けました。
さあ、どうなるか!!! つづく
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