平成二十一年(2005年)九月二十日に開始したブログの累計記事が、現在10,225通目です(後で数えなくていいように)。
二十年間もブログを書き続けてきて、まさかこんなSFみたいな話が現実になるなんて思いもしませんでした。数学が紡ぎ出す数の美しさと、量子力学が教えてくれる世界の不思議さが、まるで手を繋いだように私たちの未来の安全を守ろとしています。このブログが読者の方々の「未来の暗号」への扉を開く、ちょっとしたきっかけになると嬉しいなあ。では、一緒に未来の旅に出かけましょう。
人間は大昔から秘密を守ろうと必死でした。その気持ちが人間にある限り「暗号」は常に存在しました。その昔はシーザー暗号(※明日解説ローマ皇帝ジュリアス・シーザー(ユリウス・カエサル)が出てきます)とか、もっと古典的な方法でしたが、コンピュータの登場で「公開鍵暗号」という魔法が生まれました。
片方だけ開けけられる箱
ある国が、同盟国に秘密の手紙を送りたい。その手紙を箱に入れて敵国に取られないようにします。鍵を一つだけつけて。でも、途中で鍵も箱も敵国に盗られたら元も子もありません。
そこである国は考えました。「片方だけ開けられる箱」を作ればいいではないか。鍵はその箱を閉めることしかできない鍵と開けることができる鍵あります。閉める方の鍵はみんなに配って(公開鍵)、開ける方の鍵は自分だけが持っています(秘密鍵)。これなら安全にやり取りできます(これをRSA暗号と言います)。
実際に当時の数学者は「これなら安全にやりとりできる!」「やったあ!これで世界は平和だ!」と思いました。この開けることしかできない鍵は数学の「素因数分解(そんな言葉もあるんだと言う程度で覚えてください)」です。
この「素因数分解」は数学の超難問です。
考えてみてください。スマホのロック解除のパスワードを当てることができますか?
とてつもないでかい数をバラバラに素数に分解するんですもの。昨日書いた平方根がその例です。
未来からの刺客「量子の力」
ところが絶対安全だと思われて言いた壁に突然・・・。
ピーター・ショアと言う人が考えた「ショアのアルゴリズム」です。
「ある日突然、未来からやっていて、「俺にかかれば前らが難問だ思っている素因数分解なんで朝飯前だ!」と言い放ったのが量子コンピュータと言われる生意気なやつなのです。
明日からまた面白く解説します。
美しい 逆から見ると 難しい 秘密鍵が 開かない理由
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