老舗和菓子店の「暖簾」を守る商標戦略:中小企業の知的財産戦略❷
平成十七年(2005年)九月二十日に開始したブログの累計記事が、現在10,248通目です(後で数えなくていいように)。
Latent Value:レイテント ヴァリュー(leɪtənt vælju) 知的財産が持つ将来的な可能性(潜在価値)
私は和菓子が大好きです。洋菓子は食べても一つぐらいですが、和菓子なら何個でも食べられます。このブログの七十二候の記事で、よく京都の老舗和菓子屋さんの
和菓子は茶道とともに発展してきました。そして何百年と続いているお店も我が国にはふんだんにあります。ひとつひとつに想いと心がこもった和菓子が今日も和菓子職人さんに拵(こしら)えられています。今は、和菓子の水無月の頃ですね。冷蔵庫がない時、氷に見立てた和菓子が作られました。それが水無月です。
農水省HPより
繰り返し掲載していますが、
弊社蔵書より
「あんどーなつ」という漫画があります。もう漫画の域を超えています。両親を早くに亡くした「安藤奈津」さんが素直に大きく浅草の和菓子屋 満月堂で修行し一人前の和菓子職人として成長する話です。
「安藤奈津」は、茶道も学んでいます。そのお師匠さんは(途中で分かったのですが)実は、安藤奈津のおばあさんだったのです。お師匠さんは、生まれたばかりの子を産んだ後に、茶道の名家であったために、その子と生き別れしなければならいませんでした。その子が安藤奈津の母親です。
そして、お師匠さんが若い頃に恋をした男が安藤奈津のお爺さんです。今や、日本でも有数の会社の会長です。とっても素敵なストーリーです。原作者が病気で亡くなり、未完で終わっているのが残念ですが。どうも私は「なっちゃん」という名前に惚れやすいそうです笑。
三百年続いたある和菓子屋さんが、屋号や特定の主力商品の名前を商標登録していませんでした。それを知ったある振興業者が、先に商標登録していました。屋号は使えなえなくなり、質がかなり落ちた模倣品が出回ってしまいました。
でも、その和菓子屋さんは、二度とその屋号も優れた商品も使うことができません。法的に「ずっとこれでやってきた」という主張も法的には認められませんでした。
綿菓子屋にとって、その和菓子の形やパッケージデザインを意匠登録し、屋号と商品名を商標登録することは絶対条件です。
このように気づいていないけど、自社が持っている潜在価値を知的財産権に転換するかしないかで、持続的な成長を支えてくれるものに返信するか、倒産するかの大きな境目になるのです。
長年に 渡って培う 小さな価値 我が国文化と 和菓子の文化
コメントする