昔、男ありけり:人待たむ里(皇紀弐千六百八十五年 令和七年(2025年)師走十二日 金曜日

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 世界最古の歌者物語「伊勢物語」は第四十八段「人待たむ里」です。まずは原文から。


むかし、男ありけり。馬のはなむけせむとて、人を待ちけるに、来ざりければ、

いまぞしる くるしきものと 人待たむ 里をば離れず とふべかりけり

(宝徳超訳)

地方官として赴任する人に餞別するため、餞別の宴を用意したのです。しかし、肝心の当人が、なかなかあらわれない。どんなに盛大に送り出してあげようと思っていた主人は、そわそわします。

ああ待ち遠しい。待ち遠しい。つらいなあ。待つのはこんなにもつらいものか。待てよ。そういえば私も昔、女を待たせたことがあったなあ。あの時、こんな切ない気持ちだったのか。悪いことをした。もっと間をおかず、訪ねてやるんだったという話です。

 なんて、話です。超訳は不要ですね🤭




(現代語訳)

昔、男がいた。旅立つ人に餞別の宴を開いてやろうと待っていたが、来なかったので、

今こそ思い知りました。来ない人を待つのがこんなにも苦しいと。だから、男の訪れを待っている女の家は、合間を空けず訪ねてやらなければいけませんね。

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このページは、宝徳 健が2025年12月12日 05:23に書いたブログ記事です。

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