超訳 昔、男ありけり:関守(皇紀弐千六百八十五年 令和七年(2025年)九月二十二日 月曜日)4

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業平の やんちゃと純情 あはせもつ 人柄を見て 千年馳せる


 伊勢物語の第五段です。関守です。まず原文です。

むかし、男ありけり。東の五条わたりに、いと忍びていきけり。みそかなる所なれば、かどよりもえ入らで、わらはべの踏みあけたるついひぢの崩れより通ひけり。人しげくもあらねど、たび重なりければ、あるじ聞きつけて、その通ひ路に、夜ごとに人をすゑて守らせければ、いけどもえあはでかへりける。さてよめる。

人しれぬ わが通ひ路の 関守は よひよひごとに うちも寝ななむ

とよめりければ、いといたう心やみけり。あるじ許してけり。二条の后に忍びて参りけるを、世の聞えありければ、兄(せうと)たちの守らせたまひけるとぞ。

(宝徳超訳)
 昨日と同じ在原業平と高子の話です。でも、昨日の話では高子はもう清和天皇に入内しています。今日の話は入内前になっています。伊勢物語はあまり時系列のような考えがないようです。いい加減=良い加減の素敵さですね。高子は業平のこの和歌を読んで悲しくなりました。あるじとは高子ののおばです。偉い人です。その人が業平の夜這いを受け入れたとありますが、それはないと思います。いいんです。良い加減です。こうなったらいいなあという願望も入っていいのではないでしょうか。

 それよりこの段の歌もきれいですね。

 私は、学校で百人一首を覚えろと言われた時に、面倒臭えなあと思いました。でも、一つの歌に出逢いました。

僧正遍昭(そうじょうへんじょう)の

天つ風 雲の通ひ路 吹き閉ぢよ をとめの姿 しばしとどめむ

です。

 出逢った時に「昔の人はきれいな女性に出逢ったらその人を天女に見立てて天女が天に帰らないように天の風に頼むんだ。きれいな女性に出逢っただけでこんな発想が浮かぶんだ」と思いました。私たち現代人の情緒は千年前の人たちの情緒とは比べるべくもありません。なんて豊かな創造力なんでしょう。「かよい路」良い言葉ですね〜。人と出逢うためにはどこかの「かよい路」を通らないといけませんものね。日本にはこんなに素晴らしい財産があるのです。

千年の 歌読むだけで すぐさまに 千年前の 心に出逢ふ(拙首)

(現代語訳)https://ise.kaisetsuvoice.com/005.htmlより

 昔、男がいた。東の京の五条あたりに、たいそう忍んで通っていた。人目を避けるような場所なので、門から入ることもできず、童の踏み開けた築地の崩れから通っていた。この舘は人の出入りが多くは無いが、男がたびたび通ってきたので、舘の主人が聞きつけて、その通い路に夜ごとに番人を置いて警護させたので、男は行っても会えないで帰った。さて歌を詠んだ。

人知れずこっそり通っている私の通い路を守っている関守は、夜ごと夜ごとに、ちょっとでも寝てくれればいいのだが。

と詠んだので、女はそれはもう、心痛めた。なので主人は男が女のもとに通うのを許してやった。二条の后(藤原高子)のもとに男が通っていたのを、人目をはばかって、高子の兄たちが番人を置いて守らせたのだそうだ。

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このページは、宝徳 健が2025年9月22日 03:09に書いたブログ記事です。

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